仕事としての「声優」。今だからこそ分かること。
事務所に入ってもアニメの仕事があるわけではない、ということ。
そりゃそうだよねって感じなのですが。
事務所に入って初めてのお仕事は、
ソーシャルメディアのPVナレーションでした。
それから、CMやブラウザゲームのCVなど、いくつも経験させていただきました。
2019年 現在。
ナレーション、キャラクター、イベント出演や歌、朗読、
かなり広くやらせていただいています!
今、私は「一生声優を続ける」ために営業活動をしたり、オーディションを受けたり
お仕事に誠心誠意 全力で取り組んで、また任せていただけるように繋げる。
演じたキャラクターが実装されたときに、その子の魅力をユーザーに伝える。
そうやって糸が途切れないように紡いでどんどん太くしていくことを最優先しています。
だけど今の状況を、声優目指したばかりの小学生当時の自分が見たら
地上波アニメ出てないじゃん。
って、絶対思います。
どうしても自分が憧れた声優さんたちは、
アニメに出て、キャララジオやって、
人によっては個人の冠番組があって歌も出してイベントにも出て雑誌の表紙で…
そんなイメージだったからです。無理もないです。
今でこそ「声優」「ナレーター」の生き方の多様性を知っています。
初仕事からアニメの現場まで、
早い人もいれば時間がかかる人もいて
実現する前に辞めてしまう人もいるかもしれないし
実現しても辞めていく人もいる。
私が養成所に通っていたのはもう10年前なので、
その当時、所属オーディションに合格してプロになった知人のなかでも
アニメの現場に立ったタイミングは人それぞれ全く違います。
時が経って、それでもこの仕事を辞めていった人もいます。
最近は、アニメにたくさん出たいと素直に口にするようにしているのですが
そうしたら、制作側の方から、また声優の先輩から、
いろいろな経験談をまじえた言葉をいただけるようになりました。
やっぱり自分のせまい視野で考え込んでしまうと、
それが正しいかどうかもわからないまま思い込みで行動してしまうこともあって
結果、無駄足になることもありますよね。
誰かが言ったことを実践すれば100%仕事が増えるかといえば
決してそんなことはないので、
人から聞いた話を参考にするくらいの気持ちで、
こういうことを話せる相手に恵まれた時は、できるだけ機会を活かしていきたいです。
人生ムダなことなんてない!って思って居た時期もあったけど、
どうにかこうにか目標を最短ルートで駆け上がるつもりで走って、
それでも発生した回り道のことを「ムダじゃない」って言うのかなって今は思います。
現場がないならレッスンで補うしかない。
・事務所に所属してるプロである
・声でお金をもらっている
と言っても、私は圧倒的に「アフレコ」経験が不足しています。
複数人でのマイクワーク、共演者と掛け合いで芝居するのが
「声優」のイメージかもしれませんが、
実際わたしがやっている仕事の大半は、一人で収録。
アプリゲーム、ブラウザゲームも出演の経験ありますが
掛け合ったことはほぼありません。
だからワークショップにだって通いますし、
役者同士の自主稽古で掛け合いができるならやりたいなぁと思います。
その場で相手のセリフを受けて変わっていく芝居、楽しいですよね。
それに、自分にセリフがほとんどなかったとしても
先輩方の芝居を、マイクワークを、生で聴ける・見ることができたらそれは、
何万回のレッスンよりためになる数分間だと思います。
あーーーーーアニメの現場にいきたいなーーーーーーーーーー
って、オーディションに落ちまくりながら日々鍛錬しています。
でも相手がいなくたってイメージを膨らませて、演技できます。
それでokをいただいて、商品になっています。
さっき書いたこととさっそく矛盾するのですが、
アニメで、相手がいても一人収録のことはあります。
私が今までやらせていただいたアニメーションは特殊な収録方法をとっていて、
別で録っているお相手の声を聞きながら一人で録るスタイルだったりとか
お相手の声(本役の役者さんではない)を受けて一人で録ったりとか
今は遠方のクライアント様が全国各地のキャストを選んで
それぞれ現地で代理のかたが収録に立ち会ったのをサーバーアップでやりとり
…など色々な手法があり、
さらには個人企画が大きなムーブメントになってTVで放送のお話が出てくる、など
私がむかーーーーし声優を目指した頃よりも、
アニメ自体が多様化していて、視聴者にとってはテレビのみならず
配信限定や単館上映ほか、色々なかたちで楽しめる作品が増えたと思います。
私が参加している配信/販売限定のアニメもぜひご覧ください?
とはいえチャンスの場面で技術的なところに芝居が引っ張られしまうのは
もったいないので、多人数アニメの現場にむけたワークショップを受講しています。
一度でも現場を経験してしまうと、100回のレッスンより一度の現場
っていう言葉は実感も伴ってしまう部分ではありますが
それでも、日々努力は怠っていないのでいつでもチャンスが欲しい!
と、そう思います。
3年目から、自分の「売り」が分かってきた。
ところで。
声優のいいところって、何にでもなれるところだと思います。
でも、お仕事でやっていくならば「何にでもなれる」のは大前提、
こんなキャラクターは私に任せて!と言える
自分の芝居の「売り」は持っていたいところですよね。
私はよく言えば器用貧乏、よく言わなければ何もかも中途半端ゆえに
それがなかなか定まらずにいました。
それに人間って多面的な存在だからひとくちに「こう!」って決められないじゃないか。
一人の人間でも何オクターブも音域があるみたいに、
そのキャラがもつ振幅を豊かに表現したいし、
より「生」や「感情」を伴った生っぽさが演りたいんだ!って思ってました。
それが、先輩とディスカッションしたり音響監督さんのワークショップへ足を運んで
お話を伺うなかで、彼らは人間だけれどアニメの中の人間であるというところに
ある種の妥協点をみつけました。
私が思う、生身っぽさ。
それと、キャラクターとして言葉にも制限のある登場人物の「人となり」。
そこの折り合いを付けてあげるのも、
尚且つ魅力的に見せてあげるのも、キャラクターを演じる声優の役目なのだと。
それがなんとなくわかってきたからこそ、もっとキャラクターを演じたい。
今はその望みへ向かって日々邁進しています!
周囲が築き上げてくれる「売り」もある。
ちなみに、自分の「得意」って、
自分で演じててこれは仕事で出せるレベルだ、とジャッジするのに加えて
過去に演じたキャラクターそのものに人気や付加価値がついて
結果それが商品としての自分の売りになるってことが往々にしてありますよね。
共演者や、視聴者のかたから
「あれよかったよ!」って言ってもらったことが自信になったり。
演者も普通の人間だからそういうことが自信に直結したりするものです。
まさにそれで、私の売りのひとつはポンコツ委員長タイプになりました。
ツンデレ妹もハマっているみたいで嬉しい。
声質の根幹に真面目っぽさとか育ちの良さ、気の強さが乗るので
いわゆる「ギャップ萌え」が自分の表現幅に合致している感覚があります。
「お母さん」と「ナレーション」も単体でキャスティングいただくほかに、
委員長だとか妹とはキャラクター性がかぶらないので
兼ね役させてもらえることが増えてきて嬉しいです。
これからも、もっと私の良さを見つけてもらえるように、色々な声を届けていきたいです。
キャラクター出演履歴
◆キャラクターボイス
アニメ
「やさCせかい」神谷さん
「東方M-1ぐらんぷり」クラウンピース
ゲーム
「軍神召喚†アークナイツ」カグツチ
その他
モーニングコールアプリ「OKOS」
◆ドラマCD
「白銀のデザイア」アキラの母
「高校デビュー」女生徒(小学館)
「1ちゃんす!第3世代ミニ四ガールズ」恩田奏
「second beat」深山緑紗
「春にとける」陽野夏織
「シロネコテイル」「シロネコテイル・リライト」櫻井彩音
◆ラジオドラマ
「となりにはキミがいる」愛菜
「ロガの椅子 V 外伝 S」ナンナ
「君と青空グルメ」塚本菜奈(ラジオ日本)
「受け取ってもらえない手紙」サミア(FM REDS WAVE)
上記のほか、DMM・TSUTAYA・にじよめ等のブラウザゲームへ出演しています。
お仕事ください!
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